本書の訳は54年前のものだった。
でも昔の訳でもおもしろさは変わらないかも。
訳者の村岡花子さんはおっしゃる。
ディケンズは人物描写が巧みでユーモアがあると。
ほんとうにそうだった。くくっと笑えてくる。
なんども「うまいなあ」と思いながら読んでいた。
聖夜の前日も働きづめで寄付など目もくれない男。
お金に貪欲な主人公スクルージはだれにも心をひらかない。
クリスマスなんてくだらないっ。
暖炉につかう炭までケチって彼はいいきるんだな。
そこへもと同僚マアレイの亡霊があらわれる。
はじめは怪現象を信じようとしないで家中を点検したりして。
怪しげな具合に壁にかかっていた「ねまき」のなかも確認する。
がっ。努力もむなしく同僚の変わり果てた全身像とご対面。
最高なのはマアレイが頭から顎にかけてしている頬かぶり姿・・・。
おそろしくも笑える一場面が読み手をおそう。←泣き笑い
そのあとも次から次へと幽霊が彼の家へやってくる。
幽霊といっしょに過去と現在と未来をさまようんだけど。
未来の自分の姿に悲痛のさけびをあげることに・・・。
そんな悪夢の旅をへて彼の心はとけていくんだなあ。
それにしてもマアレイの登場のしかたがこわい。
最初からどど〜んとこないでドアのノッカーに顔がぼお〜っと。
人面魚ならぬ人面ノッカー・・・人霊ノッカーだ。
それから鎖をひきずる音が室内にひびきだす描写もよかった。
その鎖は悔恨の束がつらなっているらしく。
長ければ長いほど幽霊になったときつらくなるという。
生前は善行をつくせということかな〜。
クリスマス・キャロル=クリスマスを祝う賛美歌。
うんむぅ。・・・賛美歌とな?
縁のない歌だけどなぜか厳かなひびきがある。
すこしは敬虔な気持ちになってみようか。
サンタではなく幽霊がやってくるかもしれないから。









